
私は秋田県で6年間暮らしました。
きっかけは、子どもを授かったこと。妻の出身地である大館市に身を寄せ、妻の実家に長くお世話になりました。家族の時間に寄り添いながら、地元の方々に支えられ、穏やかで豊かな日々を過ごすことができました。
東京と秋田の二拠点生活は、リモートワークを中心とした新しい働き方でもありました。自然の中で子どもと向き合う時間を持ち、都市では得られなかった“削ぎ落とされた豊かさ”に気づくことができました。ものの見方や考え方を少し変えるだけで、世界はこんなにも楽しく、深く感じられるのだと実感した6年間でした。
今は再び首都圏に拠点を戻し、地方の良さと都市の良さ、その両方を感じながら暮らしています。
私にとって秋田で過ごした時間は、テクノロジーから一歩離れ、人との関わりや日々の小さな幸せに立ち返るきっかけとなりました。人によっては海外だったり、転職だったり──きっかけはさまざまですが、人生は運やタイミングの不思議な連なりの中にあるものだと思います。
ITの原点には「面倒くさいから工夫する」という発想があります。
“もっと楽にしたい”という小さなきっかけが、新しい仕組みやサービスを生み出します。怒りやストレスも、時に前へ進むためのエネルギーになります。
誰にでもやさしい世界をつくることは簡単ではありません。
けれども、ひとつずつ、一歩ずつ。
私たちは、新しいテクノロジーを人の温かみとともに届けたいと思っています。
テクノロジーを通して、少しでも前向きに、
誰かの暮らしを、誰かの仕事を、より良いものに変えていけたら。
それが、私たちの願いです。
2025年
スリー株式会社 代表 奥村 裕之
